6月になると梅雨の影響で湿気が増え、体調不良を感じる人が多くなります。中医学(中国伝統医学)では、こうした季節特有の不調を「水毒(すいどく)」や「湿邪(しつじゃ)」によるものと捉えます。ここでは、中医学の観点から「6月の水毒疲労」について詳しく説明します。
🌧6月と「湿邪」:中医学の季節観
中医学では、自然界の気候変化が人体に影響を与えると考え、これを「六邪(りくじゃ)」(風・寒・暑・湿・燥・火)で表現します。6月の梅雨時期に最も影響力が強いのは「湿邪(しつじゃ)」です。
湿邪の特徴:
- 重く粘り気がある(体内に停滞しやすい)
- 下降しやすい(下半身に症状が出やすい)
- 脾(消化器系)を傷つけやすい
💧「水毒」とは?
「水毒」とは体内に不要な水分が溜まり、正常な水の代謝が行われない状態です。これは中医学で言う「湿滞(しったい)」「痰湿(たんしつ)」とも関係しています。6月は外から湿気が入りやすく、また脾の機能が低下するため、水分代謝が滞り「水毒疲労」を引き起こしやすくなります。
🌀 水毒疲労の主な症状
- 身体が重だるい
- むくみ(特に下半身)
- 胃腸の不調(食欲不振、下痢、胃もたれ)
- めまい、頭重感
- 気分の落ち込み、無気力
🏺予防対策について
① 脾を補う
脾(消化機能)を健やかに保つことで、余分な湿気を排出しやすくします。
- おすすめ食材:
- はと麦(ヨクイニン)🌾
- しょうが、ねぎ、紫蘇(身体を温め湿を追い出す)
- 大豆、小豆(利水・利尿作用)
- 冬瓜、かぼちゃ(胃腸にやさしい)
- 避けるべき食材:
- 冷たい飲食物(アイス、冷たいジュースなど)
- 生もの(サラダ、刺身など)
- 油っこいもの、甘いもの(痰湿を生みやすい)
② 体を温めて湿を散らす
梅雨の湿気とともに気温が下がると「陽気」が損なわれるため、温めることが大切です。
- 白湯を常飲
- 足湯、温灸
- 軽い運動やストレッチで気血を巡らせる
③ 気の巡りを良くする
湿気によって気の流れも滞りがちに。精神的にも落ち込みやすくなるため、気を巡らせる養生も有効です。
- アロマ(陳皮、ラベンダー、ベルガモットなど)
- 深呼吸、太極拳、気功などの呼吸を重視した動作
身体の巡りを整えて健やかに季節を乗り切っていきましょう!











